県庁所在地である長野市がビジネス色が強いのに対し、松本は昔から商売のまちとして栄えてきました。商圏面積も長野市より広く、大町や木曽、諏訪や伊那方面まで広く購買層を抱えています。
そんな松本の中心街を見てみると、確かに駅前から本町、パルコのある伊勢町付近まではそれなりに賑わっていますし、中町や縄手通りは観光客が多く歩いています。しかし、その他の商店街ではシャッターを下ろした店が目立つようになってきています。多くの市民は市街地郊外の広い駐車場をもった大規模店舗で買い物をすることが多くなってきており、このあたりのライフスタイルの変化も商店街の衰退の要因となっているようです。
やはりまちの賑わいの根幹は市街地の商店によるものが大きいです。商店街の賑わいなくして、まちが盛り上がっているとはとても言えません。
10年後の松本では、マイカー中心のライフスタイルの見直しにより、中心市街地で買い物する人が今よりずっと増えています。トランジットモールなどの整備により、何軒もの商店を買い回りしながら、公共交通を利用してまちをストレスなく動けるような仕組みが整っています。その他にも街並み整備や各種の催しなども功を奏し、商店街はかつての賑わいを取り戻しつつあります。
そして、松本の経済を考えるうえで、一番重要なことは、産業基盤の構築です。若者が就職しようと思っても、都会に比べて、就職先が極めて少ない、魅力的な仕事がないというのは、とても大きな問題です。精密機械工業や食品工業、観光産業など、松本としての特徴的な業種もありますが、将来的な発展を考えた場合には、やはり新産業の創出・育成などが不可欠です。
10年後の松本では、環境産業や医療関連ビジネスなどが新しく芽生えています。松本には利用可能な自然エネルギーが多くあります。例えば、晴天率が高く、日照時間も長いことから、太陽光発電などに適していますし、急流な河川なども多いことから小水力発電にも適しています。何より、良好な自然環境や高原都市としての立地などから環境ビジネスのイメージが定着しやすいといったメリットもあります。医療関連ビジネスについては、医療機器や医療技術ということにとどまらず、自然や文化資産を活かした滞在型の療養方法などの確立も考えられます。
さらには、大きな産業分野だけでなく、新規ビジネスの支援など、若者のチャレンジをバックアップする制度などが充実してくることによって、松本でひと旗あげようという熱い若者が集まるまちとしても注目され、まちは活気に溢れてくることでしょう。
中2階トイレ前
2013年3月より
JR松本駅改札口正面
2010年12月5日より
- 協力:
- エクセラン高等学校
松本第一高等学校
美須々ケ丘高等学校
松本工業高校
松商学園高等学校
- 後援:
- 松本市
松本市教育委員会